「その男、凶暴につき」を観た

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WOWOWで映画を観まくっています。というより、録りまくっては全く消化できてない形なのですが、個人的に優先順位が低かった「その男、凶暴につき」を観ました。これに限らずですが、え、今の時代にそれ観るの??と言われそうな昔の映画をたくさん観ています。しょうがないじゃないか(えなり)、子供だったんだから。

この映画が公開された当時、予告編がテレビで流れていたことは結構よく覚えているのですが、それを目にしたきりだったので、今の今まで、ずっとやくざものだと思っていました。いや、思うでしょ。

たけし監督作品は、ヴァイオレンス要素が多い印象なので、そっちがメインの映画という印象でずっと手を付けないできたんですが、、、せっかくWOWOWに入ってるので、興味有無に関わらず、タイトルが有名な映画を片っ端から観てやろうと思っているわけです。何故そこまでするのか自分でもよくわかりませんが。

で、「その男、凶暴につき」って、たしかビートたけし初監督作品でしたよね?だったような。いや、素晴らしい映画でした!!後に語り継がれる高評価を得たことが、とてもよくわかります。
ヴァイオレンスシーンは、それほど苦手ではないにしても、やはり目を背けたくなるようなシーンのオンパレードなのですが、それを超えて惹きつける力があるシーンばかりです。

主人公の吾妻刑事(たけし)がとにかく凶暴で、私はタイトルから「ここぞという時に凶暴性が出るキャラ」を想像していたのですが、ほんと最初から最後まで細かく凶暴でウケた。
メインキャラをはじめ、雑魚キャラ、モブキャラ、虫けらのようにたけしに殺されていきます。数人流れ弾に当たってるし。。。しかも最後は。。。

最初の30分以上は、たけし(役名で言え)の凶暴性を表現していて、そのストーリーがどうというのはあまり重要でないように思います。ただ、本当に吾妻刑事というキャラを描くのには必要な数十分。

個人的に好きなシーンは、ゲーセンから若い菊地刑事と殺人現場に直行したたけしが(だから役名)

「早かったですね」

って言われて

「俺がやったんだ(笑)」

って軽い冗談を言うシーン。なんこわからないけど好きです。この人の場合、全然冗談になってないけど。

あ、かなり昔の映画なので、当時まだ若い俳優さんがたくさん出てます。殺されたチンピラにエンケンこと遠藤憲一さん。昔はこういう役ばかりやってたんだよねー。

平泉成さんはとにかく何に出て来ても死亡フラグ立ちまくりで困ります。

吾妻の最大の敵となる清弘が白竜さん。まさか、清弘がそういう趣味だとは思わなかったんだけど、あんなに無表情で殺しを楽しんでいる、第二の凶暴な男が、唯一、自分が身を捧げる仁藤(岸辺一徳)の前だけは、なんか捨てられた子犬みたいな顔するんです(笑)ってことは、、、清弘は仁藤のことを、、、え、違うのかな。。。清弘についての情報がめちゃくちゃ少ないことも不気味です。

あ、この映画を観ていて、「高橋一生って若い頃の岸辺一徳に似てるんだ!!!」と気づいてしまいました。

あとは、嫌味な警察署長(いや、多分普通のことしてるんだけど)に、ああこれから冬彦さんになるんだなあとわかる雰囲気の佐野史郎さんも出てた。

ストーリーはそれほど難しくないにしても、とにかく、無駄な音楽や効果音はそれほどなく(今やよく使われまくるサティのジムノペディだけが終始いい仕事してる)、表情という表情もそれほど激しくなく、すごく淡々と凶暴に(笑)事が進んでいきます。

死亡フラグの立ってた平泉成さん演じる岩城刑事は、予想通りお亡くなりになりますが、その奥さん役の音無美紀子さんが(若い!)、岩城刑事が行方不明になった時のワンシーンしか出てこないのがすごいなあと。岩城刑事が亡くなった後、自宅で葬儀がある場面はありますが、一切奥さんは出てきません。そういえば昔の映画って、多くを語らずだったなあと思いました。

そんな終始凶暴な映画ですが、唯一穏やかになる場面が、吾妻刑事とその妹(川上麻衣子)との場面。妹が出会ったばかりの男(自称・友達)を家に連れてきたら、その男を割とボコボコにしちゃうとか(笑)妹を溺愛してるのがわかります。が、その妹が最後に清弘の手下にヤク漬けにされてしまいます。。。。゚(゚´ω`゚)゚。

シャブ中になってしまった妹を見たたけしが、、、彼ならそうするだろうねという行動に出るけど、そういうキャラ付けもとてもわかりやすくてよかった。

あ、そうそう、清弘の子分3人のうち、寺島進さんがいてちょっとテンション上がったのと、「あ、若い頃の弱そうな小沢仁志がいる!」と思って検索したら、小沢仁志さんの弟さんでした。弟さんは顔面凶器じゃないんだな。雰囲気全然違うけど、やっぱり似てるんだね。

で、最後はたけしが殺した岸辺一徳の手下のおじさんにたけしが殺されてしまうのだけど、そのおじさんの最後のセリフが肝心なところで放送禁止になっていて、をーい!!!って。まあ、わかるけどね(笑)

しかし、ストーリーはわかりやすいとは言ったけど、ラストは、えええ!まさか彼が!?オチが意外すぎてそこだけ一番びっくりしました。
よくある映画なら、あの若い彼は、たけしに影響を受け、たけしの跡を継ぐかと思うのですが、まさかのラスト。。。マジか、菊地刑事。。。

いや、とても惹き込まれる映画でした。たけしってすごいんだな。。。

オリンピックどうせやるなら、開会式は火薬田ドンが聖火に突っ込んでスタートしてほしいと80%本気で期待してたんだけど。

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