ちりとてちん#104

この記事は約6分で読めます。

小草若が喜代美ちゃ~んって呼んでると思ったら夢だったらしい。若狭呼びになってたのがよっぽどショックだったんだな、うち。。。



師匠に「生きるのが怖いんですか?」と尋ねたお母ちゃん。師匠はお母ちゃんの目は誤魔化せないとわかり、そうだと答える。病院に行きなれと言われるも、行って検査した結果、医者から「手遅れ」と言われていました(涙)
「言わんといてくださいね、誰にも。若狭にも、草々にも……小草若にも」
と言いました。
何度も入院を勧めるお母ちゃんに、入院したら何もできないからという師匠。
「あまり長い命やないけど、私まだ生きてます。生きてるうちにやらなあかんことたくさんあります」
悲しいけど、手遅れと言われたら自分もそうするな。ただベッドで死んでいくより、好きなことやって死にます、私も。

何も知らない喜代美は、草々の和柄シャツにアイロンをかけながら、創作落語なんてやったこともないしできないと草々に溢しています。草々兄さんもそんな師匠の言葉がちょっと不思議という顔をしていましたが、いきなり喜代美の手を思いっきり引っ張り、部屋を連れ出しました(アイロンのスイッチ切ったか?)
連れてこられたのは寝床。
土佐屋鼻毛尊健が、何やらけったいな落語を喋ってます。UFOがどうとか宇宙人がどうとか、、団子三兄弟とか。。。
話し終わって、寝床の皆さんも、今の落語??と不思議がってます。や、私も全く笑えなかったんですが。。
「ま、所謂古典やない、創作落語っちゅうやつやな」>磯七さん
「面白かったです」
という喜代美(そうか?)
「時代背景が現代のほうが若い子にはわかりやすいなぁ」
と菊江さんも言います。

でも、前に文珍さんの創作落語聞いて思ったことは、舞台が現代かどうかっていうより、ちゃんと落語のベースができてる人が、現代の話をまるで昔の落語のようなテンションで話すから面白いんじゃないかなぁと思うんですよねぇ。。。
尊健のだんご三兄弟は創作落語っていうより、一人コントみたいになっちゃってたから微妙だったのもあるかと。って今は鼻毛にダメだししてもしょうがないんですが。。。

「こんなこと、私にできるわけないのに…」
と喜代美は凹んでいますが、だんご三兄弟くらいのネタだったらできるんじゃないか?草々も言ってたけど、だんご三兄弟は普遍性がない(意外と難しい言葉知ってるのね)から旬が過ぎれば廃れるでしょうが、小浜の和田家をネタにしたら古典落語になると思うよ。

しかし、草々わざわざ尊健連れてきたの?と思ったら、後から柳眉兄さんも来たので、多分上方落語三国志公演の打ち合わせとかだったんでしょうね。
創作落語がどんなものか見にきたはずが、みんなして「落語はとっつき難い」とか「古臭い」「年寄りのもんや」と好き放題言うもんだから、古典落語派の草々は本題を忘れ、伝統を受け継いでる素晴らしい落語に対して、尊健が安っぽい創作落語で大口叩いてるのが気に食わず着火(確かにあれで大口叩かれるのは腹立つな)。尊健のほうは「お前は草若師匠の芸風継いでるとか言われてるけど、俺に言わせりゃただのコピーや!物まねや!」と諍いに発展。
鼻毛に言われるとなんかむかつくけど、確かにコピーだけではいけないから師匠は喜代美に創作落語をやらせようとしてるんでしょうね。
でも、あのだんご三兄弟では説得力に欠けます。草々が喜代美のために行動したのは優しくてよかったですが、こいつをお手本にしようとしたのがそもそも間違いだね。
「まぁまぁ君らの言うこともわかるけど、本質を見失うてる。形から入りすぎ」
といきなりはんなり入ってきて、さりげなく膝隠し持ってきていきなり落語を始める柳眉。空気読めよ柳眉。
いや寧ろ本質も何も、創作落語というテーマその物にあんたが一番関係ありません。気持ちよく落語の世界に入り込んだばかりなのに「お前の押し付けがましい落語なぞ聞きたくないんじゃあ!」と尊健に突っかかられて「な、な、何ですとー??」と一応切れてみる柳眉。久しぶりだな柳眉。久しぶりすぎて誰かと思ったよ柳眉。それにしても意外と面白いな柳眉。柳眉、柳眉…(ヒロシです…みたいに言うな)
三人で大喧嘩です。。。
っていうか草々と尊健の口論の内容が「鼻毛剃れ!」「出ててもええんじゃ!」とか言ってるんだけど。。出ててもいいのかよ。よくないだろ落語家。いつまで経ってもホント小学生だなお前ら。。。

結局何にも解決していない喜代美が家に帰ると、台所にお母ちゃんが。
「喜代美、師匠なぁ…草若師匠なぁ……お母ちゃんの才能見抜いとんのかもしれんわぁ
落語家に向いてるかもしれないから(小次郎かよ)、もう少し落語家の生活を見ていくとかアホなことを言いながら、いつまでも徒然亭に居座っているお母ちゃんに違和感を覚えながらも、今は師匠に突然言われた創作落語のことで頭がいっぱいでした。

隣の部屋から師匠が何か落語をやっている声が聞こえてきます。その声に引かれていくと、師匠は「地獄八景亡者の戯れ」という噺をやっていました。もうすぐ死ぬであろう師匠が地獄の噺なんかを突然やり出して、いよいよ最期が近づいてるんだなと思うと、笑い噺なのにやたら悲しくなりました。
そんな状況とは全く知らない喜代美が、今まで知らなかったその噺のタイトルを聞いて、思わず幼い頃に「悪いことをしたら地獄に落とされる」「閻魔様に舌を抜かれる」と脅されたことを思い出して身震いしますが、
「落語の地獄はそんな恐ろしいもんと違う」
と師匠は笑います。

再現では、喜代美と磯七さんが死んで地獄で語らっているところ。
鯖に当たって死んだ喜ぃさんに、ご隠居が「思い残したのは嫁さんのことやろ」というと、そんなもんじゃなく、食べ残した鯖のことだという喜ぃさん。

なんというか、短い部分なのでいまいちですが、鯖とか、、不吉だなぁ。ある意味、小浜で師匠が出されたのが饅頭じゃなくて焼き鯖だったら洒落にならんとかかんが得ると恐ろしいです。
「~~その道中の陽気なこと~」
って、愛宕山と全く同じフレーズなんで、芸者の小次郎姉さんを思い出したじゃないか(懐かしい)。何かお決まりのフレーズなんですかね。地獄なのに陽気なんだ。…っていうか道中??地獄ツアーとかですか?(世にも奇妙な物語みたいだな)
「地獄八景亡者の戯れ」は1時間にも渡る大ネタということですが、落語で1時間なんていうのがあるのか。。。ちょっとした舞台
ですね。一時間も喋る人大変だよなぁ。
喜代美は、そんな面白い(?)地獄噺に興味を持ち、今すぐではないが5年10年してやってみたいので、
「そのときは教えてください」
と軽い気持ちで師匠にお願いしましたが、師匠は厳しい顔で、
「お前には教えられん」
と言いました。
これは、5年10年後には自分はいないから教えられないっていう意味ですよね。きっと喜代美にしてみたら、ついこの間、師匠の落語を受け継ぐより創作落語をやれとか意味不明なことを言われたばかりだし、自分がダメだから見放されたんじゃないかと考えると思う。
そんな二人のすれ違いの表情がすごく悲しかったです。。
しかし、そんな重厚な師匠パートと、鼻毛三兄弟パートの差が激しすぎです(爆)
師匠の旅立ちも陽気だったらいいなぁ。。

それから、喜代美が地獄噺に震えるところ。
うちらが子供の頃くらいまでは、そうやって、悪いことしたら見返りがくるよ!みたいなこと言われて、悪いことをすることへの罪悪感が植えつけられてたよね。きっと今の子供にはそういう罪悪感とか恐怖心が植えつけられるようなことを教えられてないから、少年犯罪とか増えるんだろうなぁと全然関係ないことを思ってしまった。だから、地獄噺に震える喜代美を見て、なんか微笑ましいなぁと思ったのでした。

それにしても、このまま居座っていると、お母ちゃんは本当に落語家になってしまうような気がしてきます。



っていうか小次郎まだぁー??


しかし今日は草々の考えに思いっきり同意したなぁ。
古典vs創作の話、時代劇にも通じるねぇ。文珍さんの創作落語の話は上にも書きましたが、やっぱり何でも古くからある伝統的な物って、100%一新してはダメよ。あくまでベースがあって、そのベースを守った上で新しい物を足していくのが面白いんだと思う。じゃないと全く別物になっちゃうよ。鼻毛のだんご三兄弟と聞いてふと思ったのでした。そもそも鼻毛の噺きいてたけど、「今の落語?」って思われちゃダメじゃん、とか思うのは趣旨ずれてますか。
ガンガン変なCG入れて現代語で、一応ヅラかぶってるだけの時代劇より、フィルムで古臭い映像なんだけど何故かルービックキューブとか出てきちゃうような時代劇のほうが全然いいわ(何のことですか?)

タイトルとURLをコピーしました