地獄でなぜ悪い[PG12]

WOWOW解約しようと思ったのに、面白い映画ばっかりやっていてつい見てしまいます。。。月額2300円。。。

 

たまたま出だしのほうを見てなんとなく面白そうな予感がしたので見てたら大当たりでした。

園子温監督の「地獄でなぜ悪い」[PG12]

危険を冒してまで映画を作ろうとする少年少女たちと、ヤクザの抗争がいつしか合体して最後大変なことになる狂気のコメディ映画。

終始狂った話なんだけど、どこかじわっときてくせになる不思議な作品でした。

時々テレビで見かける長谷川博己さんの演技を初めて見ました。こんなにブッ飛んだ演技をする人だと思わなかったので意外だったなあ。

35mmフィルムで生涯に一本の映画を撮りたい少年少女チーム”ファックボンバーズ”。もう名前からして厨二な感じしかしません。

彼らが映画を撮りまくってるところ、不良たちの喧嘩に出くわし、これはかっこいい映画が撮れる!と喧嘩を至近距離で撮りまくる少年たち。そこでめっちゃ喧嘩が強い不良と何故か(?)意気投合し、彼はチームのアクションスター担当になる。

彼らがカメラを回してると、血まみれのヤクザ堤真一に出くわし、そこの角までなら撮ってええぞ!と言われる。堤真一ってなんかこういう役多くない?土竜の唄でも似たような感じだったよね。大好きですけど。

その堤真一は、武藤組の親分(國村隼)を殺ろうと自宅に乗り込んだところ、人参を切ってた妻・しずえ(友近)に返り討ちに遭い、一人だけ命からがら逃げるところだったのだ。

その血まみれの床をザザーっと滑りながら帰宅した女の子が、かなーりみんなの運命を握っているのね。

この女の子、光子はCMで「全力歯ぎしりレッツゴーギリギリ歯ぎしりレッツフラーイ♪」っていうCMで売れっ子なのだけど、組長の娘なもんでえらい肝が座っている。血まみれの部屋で唯一生き残った堤真一とちょっといい感じになる。女優になりたいっていう女の子に「女優になった君からサインもらうために病院呼んでくれないかなあ」なんて堤真一が言うのがちょっとかっこいいのよね。

この少女に運命を握られている少年がもう一人さりげなく出て来る。電気屋のテレビに映った全力歯ぎしりの女の子に一目惚れしてしまった彼のその後は。。。

この売れっ子少女の母こと、武藤の妻・しずえは包丁持って敵の組員たちを追い回した挙句メッタ刺しにしたもんで、過剰防衛ということになり刑務所行きになってしまう。自分のせいでCMが中止になってしまうと知った友近の狂いっぷりがいい感じなのだ。

その頃、映画大好きファックボンバーズの彼らは映画の神様にお願いし、古びた祠?みたいなところに電話番号付きの手紙をご丁寧に入れておいた。意気投合した、喧嘩が強い佐々木はブルースリーもどきのアクション担当になってるのだけど、あのスーツは目立ちすぎ。公園の子供達に「バカがいるぞ!」と言われてるけど、青春真っ盛りであんまり気にしてなかった(笑)

 

それから10年、ファックボンバーズの彼らはすっかりオタクな感じの映画サークル(?)になっておりました。後から入ったアクションスター佐々木は、もうすぐ三十路を前にして、将来を悲観し始める。彼は夢ばっかり語るキ●ガイ監督平田(長谷川博己)と折が合わず、ブルースリースーツを脱ぎ捨ててついに辞めていってしまう。流石に平田はちょっと凹んだ。

この大人になった佐々木が、かなりワイルド系で、普通に殺陣とかアクションがめちゃくちゃかっこよくてウケます。

そうそう、堤真一がいた組は組長が國村隼に殺られてしまい、上手いこと堤真一が親分の座に就いていた。女に言われて「腹くくる時は和服よ!」みたいなこと言われたせいで、組員全員に和服を強要していた(笑)

あのCM少女は大きくなって二階堂ふみきゅんになっていました。ふみきゅん、いや光子は女優を目指していたけど、現場をすっぽかして男とトンズラしてしまいます。それに激怒した親父・國村隼は娘を全力で探そうとする。何故かというと、自分のために刑務所に入った妻・しずえが後10日でシャバに出てくるのだ。娘に夢を抱いていた妻を喜ばせようと、なんとかして娘を探し出そうとするが、既に娘・光子の代役女優で映画はクランクアップ間近になってしまい、光子の居場所はなくなってしまっていた。途方にくれた(というかめっちゃ怒り狂った)親分國村隼は、組員全員を巻き込んで「映画班を作るぞ!」と頭のおかしいことを言い出します。しかし、なんだかんだついてきてくれる組員たちは必死に映画制作のための機材やら何やらを集めてやる気になってくれている。

その頃、光子は自分から逃げた男に復讐しようとしていたが、そこでたまたま見つけてしまった青年を10万円で脅し(?)一日自分の彼氏役をやってくれと言う。意味もわかっていない気弱な彼を無理やり連れて、男の居所に乗り込み、ビール瓶の破片を大量に食わせてチュー。彼氏の口の中がとても痛そうです。震え上がる気弱な青年。えっと名前なんだっけね、彼。あ、コウジです。このコウジこそが、すんごい影薄く主張していた、電気屋テレビで少女光子に一目惚れしたあの少年でした。途中でふみきゅんがあの少女だと気づいたコウジは、光子(ふみきゅんとか色んなこと書いてややこしいな自分)の肝が座った感じにベタ惚れし、なんかよくわからんけどずっとついていく!と決心したようでした。のも束の間、組長の指示で光子を連れ戻しにきた組員たちに見つかり、光子と逃げた男と勘違いされたまま、一緒に車に乗せられていってしまう。意味もわからず顔面をボコボコにされるコウジ。組長・武藤の前に連れていかれて、更にボコボコにされるが、光子はコウジのためというより、自分のために、咄嗟に「彼は映画監督なの!」と大嘘をついてしまう。自分をかっこいい主役で撮ってくれるのは彼しかいないから逃げたんだ!と嘘に嘘を重ねる光子。可愛い娘の嘘を間に受けた親分は、彼に映画を任せようと決める。が、当然コウジは映画監督でもなんでもありません。その場しのぎでなんとか監督っぽいことをしますが、限界と感じて外まで猛ダッシュ、盛大にゲ●を噴射します。その命中した先がなんとあのファックボンバーズがお願い事という名の携帯番号を入れた祠(?)だったわけです。

あまりにもご都合が良すぎるのだけど、それが寧ろ気持ちよくて、本物の映画チームきたー!!という気持ちになりましたね。

早速コウジは番号に電話をかけ、すぐに平田たちと会う。映画が作りたいだろ!?と詳細も言わず(というか言ってる場合じゃなく)平田たちを連れて組長の元に戻る。

ヤクザの集団を目の前に、呆然とする平田に、コウジは本当のことを言わなくて本当にごめん!!と謝るが、平田は別に恐怖で呆然としてるわけじゃなかった。子供の頃から危険で迫力ある現場に燃えるキ●ガイの平田です。本物のヤクザの抗争を映画にしてしまいたいといういかれた計画を知り、めっちゃめちゃテンションが上がります。監督という名のコウジを押しのけ、意気揚々と映画の構想を語り始める。そして、その映画制作に欠かせない男が一人いる!と、あのブルースリーこと佐々木を、現バイト先のラーメン屋まで押しかけ、ヌンチャクを渡してアクション魂に火を点け暴れさせる。ジャッキー・チェンの映画みたいに、めちゃめちゃにされるラーメン屋。お前に食わせるタンメンはねえ状態です。「佐々木!コレ高イヨ!ドウシテクレル!」と困惑する店長に、佐々木はバイト代を取り敢えず突き出して、映画が成功したら必ず返す!と言うと、店長「謝謝!!」ってサムズアップ。ええんかい!!(爆)

もう、ご都合主義の連続が、どんどんパズルのピースをくっつけていくので、見ていてとても気持ちがいい。

これで、あのクレイジーな映画少年たちとヤクザが繋がってしまいました!そして、更に、その敵の組長が堤真一。親分になったのに、あの時出会った少女の光子にすっかり骨抜きにされてしまい、夢にまで見る有様。そんなことは知らず、クレイジーな平田は、段取りを打ち合わせしないと!と堤真一の組に普通にお邪魔しに行く。コウジも光子も一緒に行くと、「あの時の血まみれのヤクザさん!」とみんなに言われ、堤真一も彼らのことを思い出し、おまけに大好きな光子の成長した姿が目の前に現れたことで、上機嫌になって、映画OK!って。。。

しかしこれ、本物の殺し合いを映画に撮るんですよね??普通に上映できないよねそれ(爆)

と突っ込んだら負け。本気のクレイジーな映画制作が始まります。殴り込みがあると踏んだ警察の渡辺哲が張り込んでるんだけど、ヤクザたちが映画の準備しまくってるんで若干戸惑う。

平田の計画という名の妄想の中で、爽やかに映画制作に打ち込むヤクザたちと國村隼の姿がホントに爽やかすぎてウケるんだよね。

そしてついに撮影が始まる。。。手際がいいヤクザの映画班の皆さん。しかし、殺し合いです。血まみれです。手とか足とか首とかびゅんびゅん飛びます。序盤から血まみれだったけど、おいおいおい、、、本当にPG12でいいの?これ。。。^^;

テンション上がりまくる平田。光子綺麗だろー?と、國村隼と堤真一が談笑してる間に國村隼が首チョンパされてしまいちょっとショック。首なしな國村隼がピースするのが笑えるけど泣けるのよね。

あ、気弱なコウジが前に腹に入れさせられてたコカインを吸い込んでしまい、気持ちよくなってヤクザを殺しまくると、ふみきゅんとの距離が一気に縮まる。が、頭も身体もふらふらしてるうちに右手を切り落とされてしまい、瀕死の傷を負ってしまう。そこに光子が来て、いい感じになるんだけど、後ろからコウジは脳天を日本刀で真っ二つにかち割られてトドメを刺されてしまう。怒り狂う光子。

堤真一は憧れの光子に殺されたいわーと言ってるんだけど、音声のお爺ちゃん組員の人にチャカで撃たれてしまう。銃声を聴いて「誰じゃー!ルール違反だろうがぇー!」と規則正しく怒り出す映画班のヤクザさんたち。そこからもうめちゃくちゃになってしまう。銃声をきいた警察は機動隊を連れて突入してきたので、蜂の巣にされていくヤクザたち。一緒にいたのでついでに撃ち殺されてしまうファックボンバーズの彼ら。警察、そんな無差別でええんかい。。。

最後、コウジと光子と堤真一が折り重なって死んでいくんだ。。。

皆殺しかと思いきや、実は唯一生き延びていた平田が、全てのテープと音声をゲットして逃げていく。ただのクレイジー野郎だと思っていた平田が駆け出す脳内には、映画が公開されて拍手喝采を浴びる自分と、メンバーたちと、死んだはずのヤクザたちの笑顔。首はねられた國村隼の首もくっついてるし(包帯でくっつくんかw)頭かち割られたコウジも生きてるし、光子も堤真一も全員笑顔で生きている。でもそれは平田の妄想。狂ったように、ファックボンバーズー!って歌い続けて血まみれで走る長谷川博己の姿で映画が終わるんだけど、最後にリアルに「カットー!」って声がかかるのね。救いようのないストーリーがその一言で、ああ幻だったんだって救われる感じ。

後味悪いんだけどすっきり爽やかなような、一言で言うと、グロいファンタジーって感じ(笑)の不思議な映画でした。でも役者さんたちがみんなすごくよくて、リアルとファンタジーの絶妙なバランスを演じてくれたおかげで、すごく引き込まれた気がします。ホント血が多いんで簡単におすすめって言えないんだけど(笑)流血OKな人にはおすすめ?

あ、そうそう。ちらっと出てくる看板工事の板尾さんとか、伝説の(?)映画技師のお爺ちゃんミッキーカーチスとか、任侠だからそのオマージュでの出演?映画館のおばあちゃんが江波杏子さんとか、ほんっと豪華キャストです。