黙阿弥オペラ

今、ホームドラマチャンネルで藤原竜也特集をやってるのね。なんでも初の冠バラエティ番組が始まる記念らしいんだけど。
大好きな「おじいちゃんは25歳」も放送されててまた見ちゃったけど、あれはホントいい。山田孝之の勇者ヨシヒコと同じくらいツボです。おじいちゃんのほうが真面目だけど(笑)
藤原竜也はやっぱりいいなあ。若い姿なのに完全に爺ちゃんの風格だもん。や、それに対して、弟分の源公を演じてる石橋蓮司もすごくいいんだよ。こっちは爺さんなのに弟分の下っ端さが出ててすんごい可愛いの!誰よりも若いはず(息子と娘は除く)の藤原竜也が誰よりも爺さんに見えるんだからすごいわ。

って、おじいちゃんはもう既に見てるからいいんだ。
昨日は「黙阿弥オペラ」を見たのね。井上ひさし作の。
藤原竜也の他に、熊谷真実、吉田鋼太郎、北村有起哉などなど濃いキャラクターがいっぱい出ててテンポもめっちゃ早く、時間もどんどん流れていく舞台なのだけど、みんなとにかく芸達者!
熊谷真実なんて、最初婆ちゃんやってるの気がつかなかったもんなあ。後半に出てきたおねえちゃんの姿よりお虎婆ちゃんのほうが違和感なかった(笑)
ホントみんな濃いんだけど、中でも吉田鋼太郎さんの存在感がすごい。河竹黙阿弥こと河竹新七。すんごいお人好しで上品なんだけど、プライドがめっちゃ高い。そこのキャラのバランスがすごくよくて、普段へなへなしてるお人好しな新ちゃんが、ここぞというときにびしっと決めるのがすごく感動を呼ぶのだ。
で、藤原竜也の五郎蔵は逆にチャラチャラしてて勢いでなんでもやっちゃってここぞというときに失敗するキャラなんだけど、娘に不幸があって人足寄せ場に行く羽目になっても気風のいい兄貴分でいるって説明があったけど、そんな感じの愛されキャラ。
お虎婆さんが残した蕎麦屋を舞台にずーっと話が進むんだけど、同じ場所で時間だけがどんどん進んでいくんだ。幕末から明治時代へ。
捨て子のおせんちゃんがお虎婆さんに育てられて芸者になって、歌がうまくて最後オペラにとりつかれて外国に行ったり、あの五郎蔵たち訳あり集団が銀行起ち上げたり(爆)
おせんちゃんはいいんだけど、野郎たちの銀行はもう始めたって話から失敗するのが目に見えるほど勢い任せという(笑)
そもそも蕎麦屋に飛び込んできた二人が死ぬ死なないどうこう言ってて、金がねえどうのこうのってことがきっかけで、株仲間になり、小さな株仲間がどんどん増えて、さりげなく大親友のようになっているのだけど、時代が明治に変わって、野郎たちもどんどん変わっていくのね。
そんな中で唯一最初から最後までなんにも変わらないのが新七。
お人好しだけど、才能なくしっぱなしで自信もない。でも一人だけ明治気分になれないでいる。おせんちゃんがオペラに乗せて歌ったらいいよ!っていうけど、それもとても受け入れられない。
でも根本は、全力で見に来てるお客さんを喜ばせられるような作品を書けるかってことなのだ。
明治気分になって舞い上がってる五郎蔵たちに、大事な根幹を説き伏せるシーンは圧巻。
おとなしい新ちゃんがいうからまた説得力がある。
黙阿弥オペラというだけあって、新七の存在感と説得力がすごく濃い作品だし、そのキャラを引き立たせる他のキャストの芸達者でテンポの良い感じがすごく見ていて面白かった。
派手な演出も特にあるわけじゃないけど、言葉と動きだけでこんだけ物語って感情豊かに伝わってくるもんなんだなあと思った。3時間半もある舞台なのになんかあっという間に見終わってしまった。そんくらい面白い舞台。